このたび、日本小切開・鏡視外科学会の第28回会長を拝命し、お世話をさせていただくことになりました。大変な光栄に思うとともに大任を仰せつかり責任を感じております。
まずは学会開催のお知らせをさせていただきます。会期は2015年9月4日(金)、5日(土)の2日間で、会場は福岡市の中心部にありますアクロス福岡を予定しております。第27回の函館で開催されました素晴らしい学会をお手本に進めて参りたいと考えております。
さて、昨今の手術に関する話題は鏡視下手術、ロボット支援手術がメインになってきております。それぞれのシステムを用いた術式が保険適応となり、われわれのような地方私立大学においても、その需要を延ばすような試みがなされています。安全性、根治性においても従来の方法との非劣性を証明する臨床試験がグローバルに行われています。医療のような不確実な要素を含んだ分野でも、技術革新が行われることは素晴らしいことですが、負の情報があることも事実であります。残念なことに腹腔鏡手術後に不幸な結果が起きたとの報道がなされ、腹腔鏡手術の施行にあたり警鐘が鳴らされております。改めて手術における倫理について考える必要があると感じております。同じ手術術式を遂行するにもその順序が執刀医によって違うように、アプローチについても予定の手術が確実で、安全かつ合理的に行えるものであれば、手術を受けられる患者さんも納得されるのではないでしょうか。
そこで、学会のテーマを“原点回帰”とさせていただきました。会の内容については随時更新していきたいと考えておりますが、手術をするにあたってどのような方法がベストチョイスなのか、普段から考えておられること、疑問に思うこと、実践されていてみんなに紹介したいこと、新たな試み等々討論中心の学会にしたいと考えております。
会員の先生はもとより外科に興味のある研修医や若手外科系医師の多くの皆様のご参加をお願い申し上げます。